クールな御曹司はウブな彼女を乱したい〜抱き尽くされる溺愛初夜〜
「私達の仕事は簡単に言うと、部長さんと研究員さんの橋渡し役よ。一日二回各チームを回って、何か提出物があればそれを回収して部長さんに判子をもらったり、何か締切があればそれを部内にアナウンスしたり……旅費精算とか、名刺発注とか、備品の管理をしてるの。使ってるシステムは本社と同じものだし、すぐに慣れるわ。わからないことがあればその都度聞いて。内線もらえればすぐに駆けつけるから」

柳田さんが優しく微笑む。

てきぱきしてて有能そうで頼りになる感じ。

「ありがとうございます。心強いです。この異動、突然言い渡されて凄く不安だったんです。異動するの今回が初めてだし……」

柳田さんの笑顔に心が和んで、本音を吐露する。

「ああ……前任者は酷かったの」

柳田さんは納得顔で頷いて声を潜めた。

「遅刻はするし、真面目に仕事はしないし、おまけに研究員さんの邪魔までしてね。長谷川部長が見かねて辞めさせたのよ。でも、後任が本社から来るとは正直思わなかったわ。うちの他の庶務担の人も密かにここの席狙ってたんだけど」
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