cherish【チェリッシュ〜恋のライバルは男!?〜】

「あら、心ちゃん!」


おばさんが相変わらず優しい笑顔で迎えてくれる。


「ただいま。あの、ミサキちゃんいる…?」


「ミサキ?部屋にいるけど」


勉強中…かな。


ちょっとためらったけど、気にしてる場合じゃない。


‐‐コンコン!


「はい?」


思い切ってドアを開ける。


「…心」


ミサキちゃんは少しびっくりした表情を見せると、顔をそらした。


「ごめんね、今大丈夫?」


「いいわよ」


くるり、とイスの向きを変えてこっちを見る。


私もミサキちゃんお気に入りのソファーに座った。


昔はここに2人並んで、仲良くお茶を飲んだりしたんだよね。


「あの、あのね…」


大分意気込んできたけど、いざ改まると…聞きづらいよ。


「昨日の事でしょ?」


それなのに、さらっとミサキちゃんが言うから、ちょっと拍子抜け。


「う、うん…」


「何か旭とケンカしたらしいのよねー、泣き付かれちゃったわよ」


「あ…うん」


それは知ってるけど…


でも、それだけ?






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