cherish【チェリッシュ〜恋のライバルは男!?〜】

そこで私は立ち上がりながら、紺野君に手を差し出す。


紺野君はきょとんとしながら、私の手を取り立ち上がった。


「どっちにしても、賭けは私の勝ち。でしょ?」


冗談っぽく言うと、紺野君が苦笑した。


「まぁな。
さて、何をさせて頂きましょ?」


と右手を胸にあて、うやうやしく礼をする姿は同い年の男の子とは思えないくらいスマートだった。


私は自然と彼の手に自分の手を重ねがら、こう続けた。




「私と、デートしてください。」


自分でも思いがけない言葉。



紺野君も目を丸くしている。



「明日、花火大会でしょ?

…良かったら一緒に行ってくれないかな?」


ミサキちゃんを誘う予定だった花火大会。


紺野君が賭けに勝ったら、一緒に行く予定だった花火大会。


今となってはどちらも白紙になってしまった予定。


だから今度は私からのお願い。


何か彼を利用するみたいで、罪悪感はもちろんある。


でも


この心境で誕生日を1人で過ごすのは、寂し過ぎた。


だから


1回でいいから…


あなたの優しさに甘えていいかな?










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