cherish【チェリッシュ〜恋のライバルは男!?〜】

グリーンのかかった茶色の髪と

おそろいの色の瞳。


思わず触れたくなるような小麦色の滑らかな肌。


白のTシャツとスキニージーンズというシンプルな服装が、
余計に彼女のスラッとした身体を引き立たせていた。



「あ…間違えた」


私が黙って彼女を見つめていると、思い出したかのように呟いた。


「すみません、
道に迷ってしまって…教えてもらえますか?」


急に流暢な日本語がスラスラと出てきて、少し驚いたけどホッとした。


日本語喋れるんだぁー


「…あ、はい。
私でわかるところなら!」


「ありがとう!」


それまで無表情だった彼女がニッコリ笑った。


か…可愛い。


「この住所のお家に行きたいんだけど…」


と、私にメモを手渡す。


「あ、ここならすぐ近く…」


え、


思わず言葉が途切れてしまった。


ここって…






「心?」


「ミサキちゃ…」
「!っミサキ!!!!!」



ミサキちゃんを見つけた途端、女の子は嬉しそうに駆け寄ると、そのままの勢いでミサキちゃんに抱きついた。


「え!?
あ、アンタもしかして…?」

「思い出した?」


どうやら知り合いみたい。


…やっぱり。


だって彼女が今さっきまで探していたのは、ミサキちゃんの家だったんだ。






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