青空に響く歌

始まり

桜が満開の季節。


私立櫻宮高校では入学式が行われていた。


私も今日から櫻宮高校の生徒の一員に。


新しい学校、新しい教室、新しいクラスメイト。


全てが新しいことばかりで終始緊張していた。


そんな緊張している私に声をかけてくれたのは今では大親友の


重野有紀寧（しげのゆきね）


明るくて誰にでもフレンドリー。


この子のおかげで緊張がほぐれた。


新しいクラスで自己紹介をすることになった。


「はーい！重野有紀寧でーっす！ゆっきーって呼んでね！」


ほぼ全員初対面の相手にこんな高いテンションで言えるなんてすごいなと思った。


順々に自己紹介が進んでいく。


そして、ついに私の番がやってきた。


「は、はじめまして。天川せ、星奈といいます。しゅ、趣味は・・・えっと・・・。」


「ほら、星奈ちゃんそんなに緊張しなくていいんだよ？」


彼女の一言で私は一度深く深呼吸をして言い直した。


「趣味は、天体観測です。よろしくお願いします。」


周りの反応は「おぉ」という声もあったり、「よろしく」などといった声が聞こえてきて私はほっとした。


また順々に自己紹介が進んでいく。


そして、色が白くてとても美形の男子が立って自己紹介を始めた。


「星野蒼空。好きなことは歌うこと。よろしく。」


短めの自己紹介だった。


彼は全く緊張していなかった。


自己紹介が終わり座ると彼は窓の外を眺め始めた。
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