やっぱり俺のお気に入り
最低だな・・・・・俺は・・・・・。



未来に嘘までついて、こうして優と会って・・・・・



キスまでしておいて、優を更に辛い思いにさせちまった。



人を好きになる感情って難しい。



俺はそんなのどうでもいいって思いながら生きてきたから、相手の感情なんて考えたことなどなかった。



でもそれじゃあダメだったんだよな。



ちゃんと優の気持ちを考えてあげていたら、優を泣かせることもなかったはずだ。



優は俺を許してくれるのか?



「じゃあ、あたし・・・行くね。龍斗、彼女を大事にね!」



優の長い髪がサラッとなびく。



優の少し赤い目が最後にちょっとだけ微笑んで見えた。



「おぅ!じゃあな」



もし未来を好きになってなかったら、優を泣かせることはなかったのかもしれない。



でも俺にはやっぱり未来がいる・・・。



未来にも俺が必要で、俺にも未来が必要で、それが何よりも嬉しく思えるんだ。
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