◇ヌードで魅せて◇


前夜祭が始まる前に部室に寄りたいという美帆に着いて廊下を歩いていくと、自然と写真部の前を通ることになる。

だけど、今日は一人じゃないし、今まで偶然会うなんて滅多になかったから大丈夫だろうと思いながらも、意識は自然とあの部屋へと向いてしまう。


「葵…?」


急に立ち止まるあたしを不審に思った美帆は、振り返りながら少し顔を歪めた。


微かに聞こえる話し声。

それは、静かすぎるこの廊下にもよく聞こえてくる。

女の人の少し高めの柔らかく甘さを含んだ声と、それに答える優しさを感じられる少し低めの声。


それが誰の声かなんて、馬鹿みたいにすぐに気づいてしまう自分が悲しくて。

その声に反応して、足と止めてしまった自分が情けなくて。

ギュッと握り締めた手に爪が食い込むのがわかった。


「ねぇ、雅」


ほら、やっぱり先輩がいる。

やだなぁ……

微かに聞こえてくる声だけで、先輩だってわかるなんて。

重症じゃない。


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