After -deconstruction "God Ideology"
もう出航してからかなりの時間がたっていた.

そしてそれを実感するように行く先の道にムカマハヤタ大陸が見えてきた.

今の季節が夏に近づきあるからか,緑の大陸であるように水神に見えた.

「幸せそうな島だね.」

水神はしみじみと2人の方に話し掛けた.

「…そう,見えるか.

 まあ,おれのいたリーリュスは,おれはいい,幸せな島だと思っている.」

そうは言うものの,火神の目線は遠くにあった.

気の抜けた,と言っていいのかもしれない.

「雷神がリーリュスにいるといいだひけ.」

このひけーこんという生き物は外見は小型の深緑色の鱗をした龍の様であるが,忠実と言うか,自分勝手というか,しばらくいっしょに旅をしていても,よくわからないものだと,水神は思った.

「おい,生神も見つかっていないんじゃないのか.」

火神の素早い鋭い指摘を受けて水神とひけーこんは納得を示した.

「あ,そう,そうだったひけ?

 生神もいただひけ.」

ひけーこんは手を大げさに動かしていた.

水神は火神がひけーこんの事を疑いのまなざしをするように指示を出しているのがわかった.


 そのとき,不意に汽笛がなったのに気がついた.
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