気まぐれイケメン上司に振り回されてます!
「早く。春ちゃんが欲しくてどうにかなりそうな俺が見たいだろ?」

誘うような景さんの声が、頭の中に響いた。
確かに、見てみたい。けれど……と、ためらいながらも、景さんの首筋に触れたら我慢できなくなった。

ずっと恋をしていた人だもん。
仕事以外の関係になってこんなふうに近づいて、触れ合うことができるなんて思わなかった。

これまでの想いがいっきにあふれて衝動的になると、指先で鎖骨を撫でながら景さんの首筋に唇をあてる。

そうしたら彼の体がビクッと震えて、愛しさが込み上げてきた。

「……あー、ごめん、春ちゃん」

景さんの困ったような声に、わたし、まずいことをしちゃったかな?と彼を見る。

するとこてん、と景さんはわたしの肩に頭を凭れた。

「け、景さん?」

もしかして、なにかが下手だった!?
首筋じゃなくて、頬とかにしておけばよかったかもしれない!
慌てたわたしは景さんの表情を窺うために上体をわずかに反ると、彼はこちらに顔を向けて苦笑した。

「あのさ……挑発したくせに情けないんだけど、俺さっきからとっくにどうにかなりそうだったの忘れてた……お願い、もう春ちゃんが欲しい」

熱っぽく悩ましい景さんの表情に、わたしの鼓動が振り切ったように速くなる。

今まで聞いたことのない彼の苦しげなお願いに、わたしは真っ赤になりながらうなずいた。

わたしも、景さんが欲しい。

こんなに余裕なくなるのは春ちゃんだからだ、とわたしを抱えてベッドに移動した景さんは、「好きだよ」と何度も言いながら触れてくれた。

同じ気持ちだと、わたしもその言葉に応えて想いを確かめ合った幸せな夜だった――。
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