幼なじみの隣で不器用な恋を

「眞紘くん、どこにいるんだろ…」


体育館前にやってきた私。


周辺にはチラホラと人がいるけれど、眞紘くんはいない。
 

もしかして、体育館の向こうにある公園の方まで行ってるのかな…?


そっちの方が、ゆっくり話せるだろうし…。


公園まで行ってみようかと思っていた、その時だった。




「えっ、白石…さん?」


突然…名前を呼ばれて振り向くと、そこには驚いた表情を浮かべる牧田さんの姿があった。


「どうしたの?陸上競技、もうすぐ始まるんじゃなかったっけ…?」


「は、はい…。それで、眞紘くんにも…お知らせに来たというか、呼びに来たというか……」


まさか、牧田さんと会うなんて思ってなかったな…。


喋り方や声が、ぎこちなくなるのを感じていると、牧田さんは意外そうな顔で瞬きを繰り返した。


「ヒロなら、さっきまで私と一緒に居たけど、もう競技場に戻って行ったよ…?」



< 157 / 302 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop