幼なじみの隣で不器用な恋を

「花奏が隣のクラスの男子と廊下で話をしてたんだ。それを見た時に、自分でも驚くぐらい…ソイツに対して嫉妬してた。」


そう言えば、あの日のお昼休みに委員会のことで隣のクラスの男の子と少し話をしたような気がする…。


男の子がどんな表情をしてたとか全然覚えてないけど、眞紘くん…私たちのこと見てたんだ…。


「その時に、感じたんだ。この気持ちは、幼なじみに対する“好き”を超えてるって。恋してるんだ…って。」


真剣な眞紘くんの瞳に私が映る。


「だけど、放課後はアイツらに…ふざけながら告白だの何だの言われて頭にきてさ、あの場で素直な気持ち言っても、余計に冷やかされんの目に見えてたから、心にもないこと口にした…。」


「そっか……。私、何も知りもせずに一人で誤解して、ずっと幼なじみの関係を貫かなきゃ…って思って。」


「じゃあ、卒業式の日に“私たちは…ずっと仲良しの幼なじみ”って言ってたのは、その出来事が原因だったのか…。本当にごめん…。」


肩を落とす眞紘くんを見た私は、首を横に振った。


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