自己物語
2章
【世界が生まれ季節が一巡りした頃、『ヒトの源 人祖』が誕生する。『人祖』は世界から多くの事を学び、成長した。そして、『人祖』から新たな者へと進化を遂げた。これを『ヒト』と称す。『ヒト』からまた、新たに人種が増え、『族』へと変わった。
あらゆるものを詠む『族』、『ヒト』の姿から獣へと化ける『族』、力を用い、あらゆる者に治癒する『族』、力を用い、術を操り使う『族』、魔を操る『族』と様々にわかれた。その中で争いが起きる。術を使う『族』と治癒する『族』が統合し、新たな戦力となるだろう。新たな戦力で世界の頂点へと立った二つの族は誤った道へと誘われるだろう。そして、数十年にかけ魔の力を用いた『族』が力を上げ、二つの族を打ち破るだろう。魔の族が頂点へと立ち、ヒトびとは従う他なくなるだろう。そして季節が一巡りし、桜が舞う季節となった。そして、魔の族の子が産まれた。その者は黒髪の女児なり。名を『ひとつの花びら』と称する。そして、クロロの力を多く継ぎし者。これにより、ヒトびとは未来を予言者(カタストロフィア)にゆだねた。これにより、争いが多くなり、魔の族は多くの力を生みだした。その結果、力を使い多くを亡くし、マナを枯渇させた。魔の族は魔の力を封印し、『クロロの力を継ぎし者』を指導者と呼び、世界は指導者を頂点とした世界へと変わっていくだろう。】

「そして、このようになってしまったのね……。私の様に『クロロの力を継ぎし者』が生まれなければ、世界がこの様にはならなかった…のかな」
「それは、私にはわからないなぁ」
「そうだよね…。聞いて悪かったね…」
「誰しも答えられないことはあるから。…私にもね」
「そうそう、マロナって何の族なの?」
「うーん。魔物っていうわけじゃないし、獣へと化ける族の『ガルオウシュ族』でもないんだよね。……私自信わからない。でも、仲間がいると願っているよ」
「そうだね。……『タトロア』を読めばわかるかもしれないけど…読んだらまた倒れちゃうかもしれないしなぁ」
「別にいいって!体調を気遣って!」
「ありがとう。マロナ」
「失礼致します」
「どうしました?」
「リュシェア様……『シト』という若者が……あなた様に話しをしたいと…」
「シトが?」
「知り合いなのですか?」
「先月行ったカルマトトで…」
「そうですか。では……」
「ここでいいわ」
「しかし…リュシェア様……」
「少し体調がすぐれなくてできるだけ部屋にいたいの。マロナもいるから大丈夫よ」
「そうですか。わかりました。お呼び致します」
「ありがとうね」
「あー、あの少年?」
「うん」
「助けにくる!とか言ってたからかな?」
「きっとね。悪しき者……動きはまだないみたいだけど」
「今動きがあってもリュシェアの体が持たないよ!」
「本当ね……助かるわ」
「お呼びしました」
「入ってどうぞ」
「し、失礼します!」
「そこまで固くなくていいよ…。この部屋に私とマロナしかいないから」
「あ、そ…そう!それなら!」
「君は……何の族なの?」
「…え、俺?まあ、術を操る『サーフォトス族』だけど、剣術を鍛え過ぎて本当の術という術は使えないんだよなー。あははは」
「……そう」
「マロナは今、『ガルオウシュ族』を探しているの…。わけありでね」
「そうか……。俺が『ガルオウシュ族』じゃなくて」
「別にいいって!そこまで気にはしていないし」
「そうか。あ、要件は…二週間程前に悪しき者の話がカルマトトで急に起こりだして…それから、住人が消えだしたんだ……」
「っ……」
「なんと……。リュシェア…」
「夜出歩いていた近所のおやじが言っていたんだが、森の方に歩いて行ったって……でも、いくら森を探してもいないんだ」
「それは行かなくては!」
「無理だって!」
「でも」
「体の方が大事!」
「……はぁ」
「体の調子悪いのか?治癒する『ヒーラ族』はいないのか?」
「あいにく、戦争がね……ここからも出されているのよ。私くらいの子ならまだいるかもしれない」
「リュシェア!アイルナに会いに行こ!アイルナ…たしか家にいるよ!塔内なら歩けるよね!?」
「うん!」
「アイルナって……?」
「指導者守護隊(ガードルナイト)というのがあって、その一員。マロナが今私の指導者守護隊。基本的にひとりだから……」
「なるほど」
「どこにいるんだ」
「左連棟の二階の奥に」
「よしいこ…」
「落ち着け、ここは私、マロナの力で!
『ループラーループラー!』」
一瞬にして『マグドナリフ』とかいた扉の前に立った。
「アイルナ!アイルナ!いるかー?」
「はーいな!はいな!いるよぅ!何のようか?」
「『ヒーラ族』の力でリュシェアを見て欲しいんだ」
「リュシェアを?わかったよー!入って入って!」
「アイルナ…ありがとう」
「いいって!そこのかっこよさ気な男は誰ぞな?」
「俺?俺はシト。カルマトトの住人だ」
「よく遠い所から来たな〜上がって上がって!」
「おう」
「それじゃ、シトっちとマロナはここで待ってるよ!リュシェア見てくるよ」
「リュシェアを頼む!」
「おけおけなー」
「シトっち……シトっち……」
「気にすると負けだよ」
「……」


「どうしたな?」
「最近、力を使っていないんだけど体調が良くなくて……」
「そうなのか…。最近話題になってるカルマトト騒ぎのせいじゃないのか?」
「アイルナ知ってるの?」
「はいな!知ってるよぉ!確かシトっち、カルマトトの住人って言ってたな。話聞きたいな!」
「きっと話してくれるよ。私、早くそこに行きたくて…でも」
「体調……ね?大変な。『ヒールラ族』でも、治せない事あるな。それにかかってるな……リュシェア……そこに行くならアイルナいくよ!傷とかなら治せるよ!」
「……栄司『コルノトス』は許してくれるかな……。指導者守護隊を2人も……」
「大丈夫な!きっと!許してくれるよー!」
「…なら」
「いこー!」


「もういいのか?」
「はい」
「マロナ話すのだ!こっちっ!」
「ちょいまちー」


「リュシェア…悪い魔法かかってるの」
「悪しき者…!?」
「アイルナには分からんよ。でも、悪い力。シトっちからは何も感じんよ。だからシトっちじゃないなー。」
「それならまだ…」
「話はおわりな!はよー行くよー」
「分かった分かった!」
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