すべてが思い出になる前に
「あの頃はデブとか太ってるって言葉に敏感な時期だったんだって‼︎今じゃ太りたいし、大きくなりたい」
「まだ大きくなるつもりなの?」
「もういいよ、首痛くなるもん‼︎」
フードコートでワイワイ騒いでいると、話題は次第に恋愛へと進む。
「翼、今年こそ彼女出来たのか?」
くすくす笑う照史に、翼が強く反抗した。
「俺ら男子校でテニス漬けの毎日なのに、彼女なんか出来るわけないだろ⁈」
「じゃあそういう照史はどうなんだよ‼︎」
涼太が照史に話を切り込んでいき、フッと笑う照史は余裕そうだった。
「俺?いるよ!」
「えっそうなの?写メないの?」
「多分あると思う…」
照史が携帯の画像フォルダーを開き、見せた途端に友理奈が携帯を取り上げ、茜と2人で独占して見始めた。