すべてが思い出になる前に




「久しぶり!」



茜に声を掛けたのはあの友理奈だった。


紺のオールインワンドレスに、パールネックレスを身につけていた。トレードマークのショートボブは今尚健在だ。



「友理奈〜‼︎」



茜は思わず友理奈に抱きついた。隣にいた翼も友理奈に気付いた。



「おっ友理奈じゃん‼︎全然連絡ないからさ、元気だったか?」


「見ての通りだよ‼︎」



翼と友理奈は力強いハイタッチをした。



「みんなちっとも変わってないね」


「変わってなくて悪かったな‼︎」



友理奈はクシャッと目を細めて笑い、つられて2人もクスッと笑った。


翼と茜も友理奈がいることにより、ピリピリしていた雰囲気がパッと明るくなった。






< 164 / 369 >

この作品をシェア

pagetop