すべてが思い出になる前に




観客席へと向かう階段を上ると、目の前には沢山のテニスコートが広がっていた。


友理奈が来たことに気付いた照史と茜が声をかけた。



「友理奈、こっちこっち‼︎」



友理奈は照史と茜の側に駆け寄り、観客席に座った。



「涼太は目の前にいる白Tシャツに黒パンツだよ」



照史は涼太がいる方を指差したが、今座っている席は涼太の背後しか見えなかった。



「さっきコートチェンジしたからね」



沢山の観客がいる中、涼太がいるコートから私達がいるなんて分からないだろう。


しかも試合は2セット目で15-45、完全に相手のペースに飲まれていた。






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