その男×未亡人?





「おい藤崎…穂香に何した」




何したって……話しかけただけだよな?




「別に、まだなにも…」




「コイツに近づくなって由美から言われただろ」




由美?




……あの友達か




「なんでそいつ泣いて_」




「お前には関係ない」




関係ないって……この場合大ありだろ




バサァッ




ビクッ




いきなり泣き出した佐倉は




今度はいきなりノートを全部散らばせた




「うぅっ…そう………颯っ」




颯?




男の名前………




「あぁ…くそっ」




しゃがみこんだ佐倉の前に男も座り




軽く佐倉を抱きしめてどこかに電話した




「穂香の薬、ここはー…1組廊下…おぅ」




「颯…………そうっ………うぅ……っっ」




「大丈夫だ……ゆっくり息吸って」




目の前の光景についていけず




ただ立ち尽くしている俺




俺が……泣かせた?




「………おい」




「っ……なに」




急に男に呼ばれてビクッとする




「悪いがそこら辺のノート___」




「あぁ、わかった」




今できることは、考えたらこれくらい




散らばったノートを片付けて




職員室に持っていった




これ、6組の、だよな




ふと思う




「おれ………だっせ」




なに泣かせてんだよ




んでも、理由分かんねーし




なに動揺してたんだよ




情けねぇ………




「はぁ___」




きっとさっきの俺は誰から見ても




カッコ悪かったと思う




あの、颯とか言う男……




アイツら付き合ってんのか?




異様な雰囲気




手馴れたスキンシップ




なら……俺は………




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