空に願いを…


それからの私は
仕事に遊びにと
すべての時間を費やし
アパートにいる時間を減らした

引っ越そうとも考えたが
まだ2年目の私には、そんな大金
勿体無くて、躊躇してしまう

そして、もしかしたら…と
心のどこかで思ったりもした


1日がこんなにも長いなんて
初めて知った


そして、見たくないものを目にした
休みの日、友達と街へ繰り出した
いつものようにバカ笑いをし
カフェに行ったり、ショッピングしたり
すごく楽しかった

あれを見るまでは…



「空は何がいい?」


振り向かなければ、良かった
友達とアイスを食べようと並んでいた時

その声の方を見れば、いつかの女性が
空の腕に絡みつき話していた


「俺はいらねぇ」

「えーっ、空も久しぶりに食べようよ」


どう聞いても、どう見ても恋人同士
私と付き合っていた時の雰囲気とは違い
今はパーカーにジーンズとラフな格好
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