アシスタント!!
「ああっ!!」


いつものウォッカがなくなって、直見もいず、


仕方なく別の烏龍茶を飲もうとキャップを開けたとき、


手が滑って描きかけの原稿にぶちまけてしまった那住。


「大丈夫ですか!?」


「ああもう!!」


相当、苛立った様子で那住がタオルを探す。


ここまで気の立った那住を見たことがなかった木下。


「……あの、直見さん、呼びますか??」


恐る恐る聞いてみた。


念のため、こっそりと携帯を鳴らしてみる。


キッ!と睨むと、


「いらん!!」


泣きそうになる木下。


と、救急車のサイレンが聞こえた。


「あの、…電源切られてます」


木下が言い終わらないうちに、5分ほどで往復した音で、


那住が部屋から飛び出した。


「せ、先生!?」


まさかと思った木下。


あれだけ何があっても冷静な那住が、動揺している。


救急車の音をたどって出た先で、道の向こうに直見と巧の姿を確認した。


道を挟んで車が往来する中、那住は立ち尽くし、動けなくなっていた。
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