one more chance――美少年は女総長――
グサッ
……え?
背中に鋭い痛みを感じた。
「ごめんな…お父さんが弱かったせいで…」
震えた声で言った。
後ろを振り向くと父親の手は私の血でべったりと汚れていた。
私は怖くて痛みを抑え家を出た。
何処を歩いたのか覚えていない。
不意に誰かとぶつかった。
ドン!
「おわっ…と…お前大丈夫か?」
ぶつかった人に身体を支えられた。
「ちょ、お前これ―――」
私の意識はそこで途切れた。