梅に鶯 ~新選組と私に刀~
悠真が買い出しに行った



「朝比奈昌弘だ 世話になる」

「近藤勇です」

「朝比奈さんの妹君だったとは……」



歳が、しみじみ言うが



「いや、妹ではない
悠真の父親と親しくてな…
兄のように、慕ってくれているが
父親代わりだ」



「朝比奈さん 悠真の縁談ですが
悠真の意思もありますし
このままでは、いけませんか?」



広沢さんが聞く



「良縁に恵まれ、幸せになってもらいたい
ただ、それだけなのだ」



「世間の女子の幸せが、悠真の幸せでは
ありません
それに、悠真がこの人と決めた相手に
嫁がせても良いのでは?
可哀想ですよ
縁談で、顔合わせする日の悠真は…」



いつもニコニコしているから

悠真に可哀想と言う言葉が

しっくりこなかった


だが、思ったことがある




「悠真は、人に好かれる
悠真と結婚したいという者は、多いはず
焦って、見余らずとも
悠真は、人を見る目に長けている
良縁を悠真に選ばせることは、私も
賛成致します」




朝比奈さんは、俺をしばらく見据え




「近藤……お前は良い奴だな!!
そうか!うんうん!そうだな!
近藤が言うなら!そうしょう!」






広沢さんと同じ意見を言っただけなのだが

なぜか、気に入られたようだ



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