年 下 溺 愛 系 彼 氏 。
大手…というほどでもない、

いわば普通の広告代理店で働く私、山田琴美。

25歳。

高校で"彼氏ほしーい!!"なんて

一緒になって叫んでた友達はもうほとんど結婚していて、

どこで間違えちゃったのかな…なんて。




「…琴美先輩?」

「えっ、あぁ…で、ここが…」




いけないいけない。

今は社内の施設の説明に集中しないと…




「…中島くんって、いくつだっけ?」

「俺ですか?22です!」




22…

私より3つ下かぁ。




「若いね…羨ましい。」

「そうですか?琴美先輩もあんまり変わらない気が…」




…大人の3歳はなかなか大きいよ。




「…お世辞をありがとう。」

「いや、お世辞なんかじゃ…」




一瞬ドキッとしたけど、

心の奥に眠っていたはずのあの出来事がフラッシュバックする。

…そうだよ。

男なんて、簡単に信じちゃいけない。

甘い言葉で誘い出して、こっちがその気になったら捨てる。

男なんて皆、そんな生き物なんだから。

私は、必死に否定している中島くんを横目に

施設の案内を続けたのだった。
< 2 / 4 >

この作品をシェア

pagetop