Four you ～２＋２＝４＝２×２～
結局、私達五人はそのまま、流れで一緒に食事を取ることになった。

「そうや、これ」

もらってそのままにしていたアメ玉を、今更ながら四人に渡す。

「あっ、そういえばあのおばちゃんからもらってたよね～」
「ねぇ、やっぱり知り合いなんじゃないの？　アタシにはそうとしか見えないんだけど…」
「知り合いやないって言ってるやん…」

まぁ、他の人から見れば、関西弁で話しているだけでもそれっぽく見えてしまうのだろう。

「…ただ…知り合いじゃないとしても…これからより親密な関係になりそうだ…」
「それに、いつでも話しに来てって言ってくれてたじゃん。よかったな！」
「あっ…うん、せやな…」

私の言動に四人もの人が、しかも面と向かってリアクションをしてくれることなんて、もう何年振りだろうか。

「それにしても二人、本当そっくりだよな～」
「ん？　私達のこと？」

やめてよ、直都。なんて、言えるわけがなかった。

「…一卵性だ…ある意味当然だろう…」
「まぁね。でも、よく間違えられたりとかしちゃうんだ」

四人は、また私の入れなさそうな輪を作っていた。しかも、あの時は一つの輪に二人ずつ、二つの輪だったけれど、今は四人が一つの輪。しかもそれ以外は誰もいないので、純度百パーセントだった。

ついこの前まで続いていたことが、また起こっていた。あの時の虚しさを蒸し返された私は、方向性を誤ってしまった。虚しさを怒りに消化させてしまった私は、その矛先を手塚姉妹に向けてしまったのだ。恐らく私は、二人が注目されているのは氷室兄弟の「おこぼれ」だと感じていたのだろう。

食堂を出る頃には、すでに大方の計画を考えついてしまっていた。
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