Four you ~2+2=4=2×2~
「…えっ…」
「…そう…だったの…?」

私は、全てを話した。「ファントム」は私の体験談が元になっているということ、皆の人気が欲しかったこと、本当は人と話すのが苦手なこと、私が今日やった全てのこと。

「…隠しておくつもりはなかってんけど、何か言いだせんくて…」

そしてもう一度、私は二人に頭を垂れた。

「…いいって、詩音」
「顔上げて」
「謝らなきゃいけないのは、私達の方だから」
「…何で…?」

顔を上げた時、私は気を失いそうになった。通路を挟んで違うベッドにいたはずの二人が、私のすぐ傍まで来ていたからだ。

「…詩音がそんな状況なんだって知ってたら、アタシ達、詩音と喋ってたと思うから」
「詩音といっぱい喋って、詩音が人気者になって、コミュ障も克服できるように協力してた」
「…ウチを助ける…?」

正直な話、訳が分からなかった。私は二人を騙した、言わば二人の宿敵なのに、その二人は私のことを救ってくれようとしていたのだから。

「…ゴメンね、詩音」
「アタシ達は、詩音の味方だから。だよね、映奈?」
「当たり前じゃん」
「…怒ってないん…?」
「何も背景がなくて、それで詩音があんなことをやってたら、多分私は怒ってた。だけど、詩音も詩音で事情があったんでしょ? だから、怒ってもしょうがないじゃん」

きっと。

きっと、私にとっての二人のような存在を。

人は、親友と呼ぶのだろう。
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