Four you ~2+2=4=2×2~
心の声は、本当の音声になっていた。

「…詩音?」
「どうしたの?」

それに、私一人であの秘密を抱えておくなんて、無理があった。

「…二人とも…ちょっと聞いてもらってもいい?」
「うん…」
「えっ、何…? そんなに改まって…」
「…めっちゃショックを受けてまうかも分からへんから…」

話さない方がいいかも、とは思ってはいたけれど、私にそれができるわけがなかった。重すぎる荷物は、誰かに見せたところで軽くなるわけじゃないのに。

「…そっか…」
「…好きな相手が逆だったなんてね…」

要は二人とも失恋してしまったわけで、ショックを受けないわけがなかった。ゴメンと謝る言葉も、変に無責任になってしまいそうで声にならなかった。

「…ウチ…やっぱり言わずにはおれへんくて…」

二人にとっては、私の都合なんて知ったことではないだろう。私に甘えがあることは明らかだった。

「…」
「…」

二人はお互いの顔を見合わせていた。その眼の奥には双子の姉妹としての感情に加え、恋敵の感情があるように、私には見えてしまって仕方なかった。

…私は、お互いにとってたった一人しかない姉妹の仲に、亀裂を入れてしまったのか…。

私自身、コロコロ変わる自分の感情に、いら立っている所もあった。絶対に言わないと決めた数分後には、秘密をしゃべり始める…。

…私なんていない方がいいんだと、そう思い始めたのも不思議ではないだろう…。
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