Four you ~2+2=4=2×2~
暗転。陽未と耀兵の母親である、響姫先輩が演じる枡鳥理帆(マストリ・リホ)が家に帰ってくる。

「おかえり~…って、ちょっと母さん」
「何よ、帰ってきて早々に?」
「何よって…さっきホログラム家政婦が来たんだけど、母さんはいいのかよ?」
「いいって何?」
「まともに相談してないんじゃないかってこと。二人とも朝早いでしょ? だから…」
「いいのよ、別に。…陽未~、ご飯にするわよ~」
「は~い…」

理帆は諦めているというよりは、楽観視している様子だった。そのうち慣れる。そんな感じだった。

「ただいま~」

そして、問題の父親が帰宅する。

「おかえり」
「おかえり」
「おかえり、あなた」
「ああ、ただいま。…何だ二人とも。やけに冷たくないか?」
「冷たくあしらってるわけじゃない。怒ってるんだ」
「怒ってる? 何でだ?」
「分かんないの、お父さん? 今日、ホログラムの家政婦さん? が来たの」
「それはこの前言ったはずだろ、陽未?」

陽未がスマホをポケットに入れる。こうなった時は、陽未が本気になった時だ。

「あの時は私もお兄ちゃんも冗談だって思ってたの。共働きだけど日常生活には困ってないし、いらないって思って」
「…家政婦さんはどこだ?」

慎太が慌てて辺りを見回す。

「はぁ…お父さん、人の話聞いてた?」
「いらないって思ったから帰ってもらった。…まあ、ホログラム映像に帰ってもらうって言うのも変だけど」

しかし、家になかなかいなくとも、慎太は一家の大黒柱。翌日から、家政婦が家に来ることになった。
< 99 / 128 >

この作品をシェア

pagetop