押しかけ社員になります!

「…そうだな。…うん。今は俺の事を知って貰うだけでいい。現状のまま、しばらく…、俺も煩わしい事は考えずに、西野の事、好きで居たいんだ」

部長…。今はこのまま、部長に飛び込んでいいのだろうか。問題は部長が解決してくれるの?

「母親が具合が悪かったと言っただろ?それ自体は心配は無いんだが。…俺の事を、まあ…心配しているんだ。あれこれと…な。…年齢も年齢だし。
好きな人をちゃんと作りなさいとか。まぁ、女性を好きになりなさいって事だな。
どうしても自分が生きている内に、俺が人を信じて好きになれるかどうか見届けないと心配なんだろう」

母親なら心配に思って当然だろう。一度あった事は、とてもショックで辛い経験だけど、前向きな気持ちで人を好きになって欲しいと思うだろう。

「だからって、…言われたからって、西野を好きになった訳じゃ無いぞ?それは関係ない。好きになった方が先だ」

そこは白黒、はっきりしたいのね。

「だから、心配しなくても、ちゃんと人を好きになっていると、現在進行中だと、話して来た」

なるほど…だから、ボストンバッグ…、かな。
大変な事を先延ばしでいいのだろうか。でも私はそんな…“奥様”として振る舞う素養も無い。頭に浮かぶのは不安ばかり。何度も同じ悩みを行ったり来たり…ずっと繰り返している。
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