押しかけ社員になります!

*各種副賞


あぁ…。涙が渾々と流れる。心がとても不安定。人を好きになるとどうしてこんなに…敏感で過剰で…。

「部長…好き過ぎて…困ります」

完全に煩ってしまいました。部長で一杯になり過ぎました。

「部長休暇ってお休み、作ってしまおうかな…」

単なる有休に付けた名称だ。消化してない分、取っちゃおうかな。

「じゃあ、俺も西野休暇でも取るか?」

二人して休んだらどうなの?私、結構残ってるしな…。辞める時に使ってしまおうと思っているんだけど。
……いつ辞めるんだろ、私。…辞めるんだろうか。

「旅行にでも行って見るか?どうだ?」

「え?」

「いきなり明日からって訳にはいかないけど。粗方の仕事の調整をすれば、一日取って土日と合わせれば、多少でもゆったり行けるだろ?」

「は、い。そうですね。でも」

「何だ…あまり乗り気じゃなさそうだな」

「いえ、その逆です。…びっくりして。まさかいきなり、旅行なんて…思ってもみなくて。あまりの嬉しさに気が抜けたようになってしまいました」

部長と旅行だなんて…。えー…。

「そうか。じゃあ、今回の行き先は俺が勝手に決める。行こう。西野は突然休んでもいいように仕事は進めておいてくれるか?」

「解りました」

…えー、もう決まり?部長と旅行?…夢みたい。行き先なんてどこでもいい…。

「一緒に行こう…」

穏やかな眼差しで頬に手を当てられた。

「…はい」

「その前に、…もう一度…」

イこう。

…、えーっ!!
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