押しかけ社員になります!

書類。え、な、に……どこだろう…。これの…どこが間違っているんだろう。

「解ったか?」

解らない。私…もう、本当におかしいのかも。駄目なところが解らない。何度見返しても…この書類、これでいいと思う…。

「部長、どうしたら…。私、間違いが解りません、すみません」

…注意力…散漫。はぁ。

「ん…だから西野らしくないんだよ。書類自体に間違いは無い。…解らないか?忘れてるだろ。どうした…いつものレポートは。もう止めたのか?添付されてないじゃないか…」

「あ。…部長」

私の、部長への、個人的なレポート…。

「どうした。大事な事じゃなかったのか?止めたのか?
西野の日常が出来てないという事だ。だから、ポーッとする。特別に気合いを入れたりしないといけなくなるんだ。
…高が俺じゃないか。何してる。ここは会社だ。仕事をするところだろ?
レポートを出していた時はちゃんとしてたぞ?こんな事なら準備万端とは程遠くなるぞ?」

「部長…」

「しっかりしろ。西野の良さは解ってるつもりだ。いつも通り、レポートに上手く情熱を使い分けろ。それから、…可愛らしいところも解ってるつもりだ」

「部長~」

…全く。

「解ったら突き返されるレポートをまた作って来い。以上だ。
んん。ところで…今週末だが、来るか?」

「あっ、部長…。はい…、はい!」

「準備はいいか?」

「はい。て、えっと、…」

…私は心の準備だ。…部長は…OK?

「ん゙ん゙、俺はあれから直ぐ、…当の昔に準備万端なんだ。…言わなかったけどな。
西野は、…身一つで来ればいいんだ」

「はい!」

「それとな…。こっちは持って出てくれ。いつものようなダミーとは違う。呉々も気をつけて欲しい。
俺の身上が書いてある。社外秘だ。いや、西野外秘だ。まず、目を通して見てくれ。それでも俺に関われるようなら、週末、来てくれ。待ってる」

「…解りました」

重いモノ。ふぅ。きっと離婚の事に触れている部分もあると思う。人生の記録のようなモノなんだろうか。
これは…肝をすえて読まないといけない。それだけ大事なモノ、とんでもない重要書類だ。
ギュッと胸で抱きしめた。
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