押しかけ社員になります!
決勝進出

…え?…はぁ。……あぁ、しまった…やってしまった。すっかり気持ち良く寝てしまった。…居ない。
部長がいつ帰ったかも気付かないなんて。なんて失態…。
起こさないように、気を遣ってくれた事は間違いないだろうけど。部長がお風呂から上がって来た事さえ、ぼんやりとした記憶しかない。
抱きしめられた状態で、何かを言っていたような。…その程度の記憶しかない。なんて事…。
グーグーいびきなんて、かいてなかっただろうか。あー、どうなんだろう。

アラームより先に目が覚めていた。
オフにしようと携帯を手にすると、着信メールがあった。
この音にも気が付かなかったか…。これは無理もないか。着信音はそんなにけたたましいものでは無いから。
勿論、部長からだった。

【おはよう。見てるって事は起きた頃か?
よく眠っていたから声を掛けずに帰るよ。遅刻するなよ?もし体調が悪くて休むようなら、俺に直接連絡をしてくれ。青柳】

…部長~。こんなメールを貰ってしまっては、はい、休みますって、甘えたくなってしまいます。身体も昨日より変に怠いし…。
……駄目駄目。今日行けば、明日は休みなんだし。行かなきゃ部長にだって会えないんだから。週明けまで顔が見れなくなっちゃう。

【おはようございます。大丈夫です。出社します。ごめんなさい、お見送りもしないで寝てしまってて】

【大丈夫だ。それより…少し、しるしをつけてしまった。すまない】

しるし?…なんの?
………!!
ベッドから飛び出した。鏡の前に走った。

映った自分、もっと近付いてみた。あるとするならば、やはりこの辺りが一番怪しい場所。
首元の布をずらしてみた。
…あった。首と鎖骨の辺り。小さくて紅い、しるし。…。…部長~。
全く気が付か無かった。いつされたんだろう。他には…無いよね…。ドキドキしながらルームウエアを捲り上げてみた。

……。

う、もう…部長~…。少しって言ったじゃないですか…。しかし…、これをされてる事に気が付かない私は、どんだけ爆睡していたのだろう。もしかして…実は不感症?
いやいや、そんな事は無い…はず。無いわよ。
気付かれないようにマークする部長って…。…。
かぁ。なんだか熱くなってきた。思い切って休んでしまおうかな…。
…心配するかな。
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