ウソツキセンセイ
中章

【夏休み】

 暑い。


 とにかく暑い。


「一応ここクーラーかけているんだけど」


「あたし暑いの苦手なんです」


「これ以上温度下げたら上の先生に怒られるからねー」


 平塚先生は白衣の袖をまくりながら、あたしにそう言った。


 今は高校最後の夏休みの真っ只中。


 あたしは相変わらず、平塚先生との個人授業を続けている。


 何も夏休みまでやらなくても…と思ったけれど、平塚先生はどうやら夏休みの間もあたしの世話を見るようにと言われたらしい。


 
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