ウソツキセンセイ

【ビタースイート】

 階段を上がり、あたしは平塚先生が住む部屋の前に立つ。


 走ってきたせいで、息は上がりきっているし、緊張してきたせいで胸が苦しく。下手したら過呼吸になってしまうのではないかと不安になった。


「……っ」


 何度もインターホンを押そうとしてはためらう。


 やだなぁ、ここに来て怖じ気付くなんて。


 だんだん頭の中が、真っ白になって何も考えられなくなる。


 きっと、緊張のせい。

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