ウソツキセンセイ
 知れば知るほど、胸の奥がうずいて、あえば会うほど、平塚先生のことを好きになって。


 自分でさえ、こんなになっていたなんて全然知らなかったんだ。


「だから、教えてください。平塚先生が、先生を辞めた理由。そうしたら、あたしも…、平塚先生のことちゃんと諦めますから」


 それでこの気持ちに終止符を打とう。


 だから、それまでは平塚先生のこと好きでいさせてください。


 長く沈黙が続いたあと、先にそれを破ったのは平塚先生の方だった。


 平塚先生は気が抜けたかのように、その場にしゃがみこんで、大きな息を吐く。

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