モテ系同期と偽装恋愛!?

その翌日、つまり昨日のことになるのだが、桃ちゃんが風邪で欠勤と聞いて驚いた。

慌てて電話してみると、ゲホゲホと咳き込み苦しそうで高熱も出ているという。

『明日までに治すから、心配しないで』と言われても、分かったとは言えない。

例え熱が下がっても病み上がりで遊園地なんかに行ってはいけない。

それで『なんとかひとりで頑張ってみる。お大事に。ごめんね……』と電話を切るしかなかった。

そして今日、恨めしげに青空を眺めてから、不安を抱えたまま、外出の準備をしているのだった。


9時55分、約束の5分前にスマホが鳴り、横山くんからの到着を知らせるメールが届いた。

鞄を肩にかけキャスケット帽を被り、玄関前の姿見に顔を映すと、なんとも情けない顔。

この後に及んでもまだ覚悟が決まらず、どうしようと考え続ける臆病な素顔の自分が映っていた。

これではいけないと両手で頬をピシャリと叩き、背筋を伸ばす。

しっかりしないと……。
過去には、男性上司とふたりで出張に行かなければならない時もあったじゃない。

あの時もかなり辛かったけれど、なんとか生きて戻ってこれたから、今回もきっと大丈夫。

夕方までの数時間、怖がる気持ちを悟られないように澄まし顔をキープすればいいのだから……。

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