サプライズは、パーティーの後で ~恋に落ちた御曹司~


私は、一呼吸置いた。
そして、感じたことを言った。


「いくら食事してプレゼントを渡しても、私は菜々さんには、なれませんよ」

彼は、大きく目を見開いて、厳しい目で私を見た。

「そんなことわかってる。分かってやってる」


分かってないでしょう?
相当ショック受けてるんでしょ?

自分で、認めたくないと思うけど。

当たり前よね。ずっと結婚するって思ってた人が、別の人と結婚しちゃうんだもん。

辛さは、経験したことに人にはわかんないよね?


「でも、私には、あなたに、こんなことしてもらう理由がありません」
ラーメン一杯おごってもらうのとは、訳が違う。


「別にいいじゃないか。深く考えるな。こうして二人でいるのは楽しいし、君だって普段出かけられない場所に連れて行ってもらえて、損はしないだろ?」


もう、どうしたらわかってくれるの?
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