幸せに・・・なりたい。

**知っている


すると、私の手の上に
大きな手が重なった。

ん?この感覚・・知っている手だ。
崇おじさん?
目を開けると
その男性が、私の手に自分の手を
重ねていた。

私は、思わず手を引こうとしたら

「高木綾と申します。
心療内科医です。
水樹 愛浬亜さん
宜しくお願いします。」
と、言った。

「高木先生?
私······知って······る」
と、言うと

「茜ちゃんと一緒に
君のそばにいたからかな?」
と、言われて
「そうなんですか?
だから、手の感覚と声に覚えがあるんだ。」
と、伝えると

「やはり、寝ていても
わかっていたんだ。
明日から、僕の診察受けて
もらえる?」
と、訊かれて
「はい、宜しくお願いします。」
と、答えると
高木先生は、優しく私の頭をなでた。

すると、
「バカ、綾!
気安く、愛浬亜に触るな。」
と、崇おじさん。

「いいじゃないですか?
医院長が、独り占めしなくても。」
と、言うと

「はいはい、崇も綾君も
喧嘩するなら
病室、出てからにしてね。」
と、美沙おばちゃんが言うから、
可笑しくなって笑っ手しまった。

すると、崇おじさんと高木先生が
赤い顔をした。

ん?と、思っていると

美沙おばちゃんが
「破壊的だよね。」
と、言うと

二人は、うん。うん。
と、頷いていた。
< 12 / 70 >

この作品をシェア

pagetop