幸せに・・・なりたい。

**連れて逝かないで


崇も
「そうだな。
きっと、花とか
買って行ったんだろう。」
と、言うと
「俺が、いけないんだ。
俺が、ここまで愛浬亜を
追い込んだんだ。

綾にも、親父にも
無闇に愛浬亜に近づかないように
言われていたのに。」
と、言う史人に
「愛浬亜が、お兄ちゃんに
気を使っているのわかっていて、
私もなにもしなかった。」
と、茜。

「僕も知っていたけど
愛浬亜ちゃんから
おじさんと美沙おばちゃんに
嫌な思いをさせたくないからと
口止めされていたんです。
僕は、愛浬亜ちゃんの
主治医なのに。」
と、綾は言った。

「愛浬亜は、本当に優しい子なの。
私達夫婦に迷惑かけないように
茜に嫌な思いをさせないように
史人自身にも、嫌な思いをさせないように
考えて、我慢して
いたんだと思う。

愛浬亜を育てて行くと決めたのに
どこかで、家族とうまくやってほしい
と、言う願いを持って接していたのかもね。」
と、美沙は言った。

「みんな、愛浬亜を思っての事だ。
今は、愛浬亜の灯火が
消えないように祈るだけだ。」
と、崇が言うと

「パパっ。
愛浬亜は、望んでいるのかな?
生きることを。

おじ様やおば様を亡くして
犯人のせいで、男性に脅えて。
勉強好きで、
あんなに、可愛く笑う子だったのに
学校にも行けない‥‥‥
笑えもしない‥‥‥
私は、愛浬亜の思うように
してあげたいの。

あんな愛浬亜を、もう‥‥みたくない。」
と、茜は泣きながら訴えた。

みんな、何も言えなくて
黙ってしまう中
「茜ちゃんが、一番そばにいて
愛浬亜ちゃんを見てきたから
辛いのは、わかるけど。

ごめん。
僕は愛浬亜ちゃんに生きて欲しい。

愛浬亜ちゃんに、なぜ助けたのかと
恨まれても生きて欲しいんだ。

両親をなくして、人格が壊れたまま
いって欲しくない。

今度は必ず護るから
お願い、お願いします。
愛浬亜を連れていかないで。」
と、綾は涙を流しながら言った。
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