幸せに・・・なりたい。

**退院


「ごめんなさい、お騒がせして。」
と、愛浬亜が言うと
「かまわん、無理をする必要はない。」
と、お義父さんが言った。
「愛浬亜、今日はもう帰りな。」
「うん、加恵ちゃんに連絡してみる。」
と、言って連絡してから休む事にした。

最初から、今日は病院の日だから
予約は、入れてなかった。

愛浬亜は、
「お義父さん、お義母さん
心配かけて、すみません。
今日は、帰ります。
安西さん、父がお世話になっているのに
申し訳ありません。
気を悪くさせてしまいました。
じゃ綾、帰るね。」
と、言うと

「とんでもございません。
こちらこそ、申し訳ありません。
お体、気をつけて下さい。」
と、安西さん。
「愛浬亜ちゃん、ごめんなさいね
お家で、ゆっくりしてね。」
と、お義母さん。
「はい、お義母さん、また、明日。」
と、愛浬亜。
「明日も楽しみにしておる。」
と、お義父さん。

母も愛浬亜も、クスクス
笑っていた。
「はい、お義父さん、
また、明日。」
と、愛浬亜は言った。
綾は、
「さあ、下まで送るよ。」
と、言って
愛浬亜の手を握り
病室をでた。

親父は、心配していたらしいが
母から、
「綾がいるから心配ないわよ。」
と、言われていた。

綾は、愛浬亜を見送りながら
お義父さんの態度が
可笑しくて、笑いが出ていた。

愛浬亜は、その様子をみて
嬉しく感じていた。

それからも、愛浬亜は、
お義父さんが、退院するまで
花を活けに通った。

二ヶ月後にお義父さんは退院した。

後で聞いた話しでは、
お義父さんは、
愛浬亜の活け花がみれなくなると、
退院が決まってから機嫌が悪かった。
と、お義母さんが言っていた。
< 61 / 70 >

この作品をシェア

pagetop