Last Letter~手紙がくれた想い~





「んなこと…信じられっかよ…」


顔を歪めた弘斗が呟く。

もう俺は何がなんだか分からなくなっていた。



ただひたすら、2人の会話に耳を傾けていた。



『気づいたらいつも隣に弘斗がいて。


バカでお調子者で少し意地悪で。

なのに急に真面目な顔したり
優しくなったり。


そんなあんたが好きだった。


でも弘斗はあたしのキモチに気づいてくれなくて。

中学に上がったら弘斗はモテ始めた。


知らない間に弘斗には彼女がいて。

噂では何人の人とも寝た…とか言うのも聞いて。


段々弘斗が遠い存在に思えてきた。』


村瀬は1度言葉を切って深呼吸した。


けど、呼吸しずらそうで

涙の勢いが増すばかりだった。



『それでも…あんたのことが好きで。

今ごろ…遅いんだよ』


そのあとも村瀬は何かを話そうとしていたが、
それは言葉にならず涙に変わった。


弘斗は涙を耐えているのか唇を噛んでいて。



どうして涙を耐えているのか俺には分からなかった。






< 109 / 219 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop