Last Letter~手紙がくれた想い~

Side 悠香






【Side 悠香】



大樹くん…


大樹くん…



あと少し、

あと少しで大樹くんに届きそうなのに。




「………大樹くんっ」



それなのにあなたはだんだん遠くへ行ってしまう。

あたしの方なんて見向きもせず


あなたは闇の中へ消えて行った。



気づくと涙が頬をつたっていた。


もう、逢えない

直感でそう感じたから。


哀しくて、悲しくて
大樹くんが歩いた場所をあたしは懸命に走った。


この道を行けば、大樹くんに会えるかもしれない

追いつくかもしれない…


でも、あの大きな背中はいつになっても現れない。


ただただ長く

ただただ暗い

果てしなく続く道


大樹くんの匂いも

気配も感じられない。







< 186 / 219 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop