死神喫茶店
いい雰囲気
突然楓のバイトが決まった翌日。


あたしはいつものように学校へ来ていた。


昨日は色々あったせいでなかなか眠る事ができず、寝不足だ。


「おっはようモコ!!」


教室に入るや否や元気一杯に声をかけて来たのは楓で、あたしはそのテンションに余計に盛り下がってしまった。


「楓、なんでそんなに元気なの?」


「え? そう?」


楓は素知らぬ顔をして首を傾げる。


「あたしは昨日あまり眠れなかったんだよね」


『半分は楓のせいで』


その言葉はグッと飲み込んで楓を見る。


「そうなんだ? 実はあたしもなんだぁ」


とても元気そうに見える楓にそう言われて、あたしは疑いの目を向けた。


「気になる人ができるとなんだか気分が高揚しちゃって、気が付いたら朝だったの」


楓はそう言って笑った。


一方は疲れて眠れず、一方は嬉しくて眠れなかったようだ。


どうせならあたしも後者の方がよかった。
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