死神喫茶店
あたしも!?
『ロマン』が開店してから10分ほど経過した時だった。


河田さんが解体部屋から戻ってきた。


「やぁ、こんにちは楓ちゃん」


「こ、こんにちは! 今日からお世話になります!」


楓の声がワントーン高くなる。


緊張とトキメキで体が硬くなっているのがわかった。


「そのエプロン、やっぱりよく似合うね」


河田さんは楓の格好をジロジロと見つめてそう言った。


鼻の下は伸びているし、やっぱり河田さんの趣味で買って来たものみたいだ。


「あ、ありがとうございます」


さっきまで恥ずかしがっていた楓は嬉しそうにそう言った。


なんだか居場所がない感じになってきて、あたしは2人から少しだけ離れた。


探せば仕事はいくらでもあるし、河田さんがいるなら楓に付っきりになる必要もない。


たまには駐車場の掃除でもしてこようかな。


そう思ったときだった。
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