死神喫茶店
やめ時
教室から昇降口へと向かう階段の途中、夢羽と留衣が一緒に登校してくるのが見えた。


2人と目が合い、思わず視線をそらしてしまう。


「モコ? どうしたの?」


夢羽が不思議そうにそう聞いてくるのを無視して、2人の横を走って通り過ぎて行った。


夢羽は悪くない。


あたしが自分から諦めたんだから。


今はもう夢羽と留衣の間に割って入ることすらできない。


2人の間に隙間はすでになくなっているのだから。


そしてその隙間を埋めさせてしまったのは、きっと留衣の事を諦めたあたし自身が原因なんだ。


留衣があたしを見てくれなくても、2人が切ない関係でも、ずっと頑張っていればまだ2人と笑顔で会話をすることができたかもしれない。


でも、今のあたしにはそれすらできなかったのだった……。
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