死神喫茶店
どうにか……!
それからあたしは先生に何も言わず、2人を連れて『ロマン』へ来ていた。


2人とも自転車だったためたいして時間もかからなかったけれど、問題は河田さんがいるかどうかだった。


いつものように『ロマン』のドアを開けてみようとするが、当然鍵がかかっている。


裏手に回って解体部屋のドアに手をかけるが、同じように鍵がかけられていた。


あたしはスマホを取り出して河田さんに電話をかけようとした。


が、山奥のため電波が少なくつながらない。


あたしはイライラして『ロマン』の周辺を歩き回って電波を探したが、どこの同じように微弱だった。


「モコ、俺たちの為に何かしようとする必要はないよ」


瑠衣が穏やかな口調でそう言った。


あたしは立ち止まり、瑠衣を見る。


その表情もとても穏やかで、自分の運命を受け入れているように見えた。


「2人とも、どうして……」


そこまで言って、あたしは視線を足元へと落とした。


2人が同時に腐敗する理由。


それは2人が同時に死んだからだ。


そしてその最大の理由はきっと……。
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