死神喫茶店
大切な存在
今、4人で解体部屋にいた。


河田さんは難しい顔をして瑠衣と夢羽を交互に見ている。


瑠衣と夢羽はしっかりと手を繋ぎ、これから先何が起こっても大丈夫だという強い意志を感じさせた。


ただ1人、あたしだけ不安で不安で、今にも泣きだしてしまいそうだった。


死者が生き返ることなんてありえない。


死んでも魂が肉体に止まり続けているのは、成仏できていないからだ。


2人にとって最善なのは、一日でも早く、一時間でも早く成仏して苦しみから解放されることだった。


頭ではそれが理解できていても、2人が生き返るすべを河田さんが知っているんじゃないかと、まるで夢のような期待をしている自分がいた。


「河田さん……2人を生き返らせてください」


「そう言われてもなぁ……」


河田さんはさっきからあたしの無茶な願いに頭をかいている。


「無理だよ。そんな事はできない」


瑠衣がキッパリとそう言った。


「でもっ……!」


万が一にでもそう言った事ができる可能性があるのなら、その話を聞きたかった。
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