死神喫茶店
好きだったよ
「夢羽……」


呼びかけても返事をしなくなった夢羽に、あたしはようやく一筋の涙を流した。


一度はライバル視し、遠ざけていた夢羽。


そんな夢羽を自分の手で解体することになるなんて、夢にも思っていなかった。


あたしは夢羽の爪を一枚一枚綺麗に剥がし、腐敗防止の液体に付けた。


夢羽の爪は細長く、とても綺麗な形をしている。


初めて夢羽と会話をした時から、あたしはそのことに気が付いていた。


夢羽の切断した体をゴミ箱へと捨てて、ベッドの上を綺麗にする。


そしてあたしは爪を液体から取り出した。


少し薬品臭いけれど、この臭いもすぐに取れて消えていく。


あたしは夢羽に爪にピンク色のネイルをした。


可愛くて、女の子らしい夢羽に一番似合う色だ。


そして爪の一つ一つに小さな穴を開けていき、伸縮性のある透明な紐を通した。


まるで貝殻で作ったように見えるブレスレッドに変身する。


誰もこれが人の爪でできているとは思わないだろう。


あたしはそれを身に付けて、瑠衣の名前を呼んだのだった。
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