死神喫茶店
あたしはゾンビに食べられてゾンビ化してしまった少女を見ながら、チョコレートのお菓子を食べた。


「お前、よく食べれるな……」


冬がしかめっ面をしてそう言って来た。


冬は名前の通り冬の12月生まれで、そのせいか女子が羨ましく思うくらいに肌が白かった。


少し女性的な顔をしていることから、学校内ではアイドル的な人気を持っていた。


「冬は性格まで女の子なんだから」


からかうようにそう言うと、「いや、このシーンはさすがにグロイから……」


と、顔色を悪くした瑠衣が口を出してきた。


「え、そう?」


画面を見てみると、ゾンビたちが次々と生き残った人間たちを食べている。


血や内臓が飛びちり、眼球が転げ落ちる。


それを見ていた瑠衣は「おぇっ……」と舌を出した。


瑠衣は冬とは正反対で男らしい顔つきと体格をしている。


よく日焼けした肌は小麦色で、こちらも女子生徒から人気のある生徒だった。


見た目は正反対な2人だけど、よく聞く音楽や好きな科目が同じと言う事ですぐに仲良くなったようだ。
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