死神喫茶店
そして、トレイから通路へと出た時だった……。


「モコ?」


そう声をかけられて、あたしはすぐに立ち止まった。


振り返ると男子トイレから冬が出て来るのが見えた。


一瞬瑠衣かと思ったため少しガッカリした気分になったが、あたしは笑顔になった。


「冬、買い物?」


「あぁ。瑠衣と一緒なんだ」


「瑠衣と!?」


思わず声のトーンが高くなる。


かったばかりのこの服を瑠衣に見てもらえるチャンスだ。


「これから昼飯なんだけど、一緒に行く?」


冬が当然のように誘ってくる。


「もちろん」


あたしは大きくうなずいて返事をしたのだった。
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