死神喫茶店
あまり食べていないのか、体も随分と細くなって見えた。


元々色白の冬だから余計にやつれたように見えていた。


「冬、そんなに悪かったの?」


楓にそう聞かれ、あたしは昨日の出来事を話して聞かせた。


「原因不明なんだね……」


楓が不安そうな顔をして呟く。


風邪でもインフルエンザでも、その病名がハッキリとしていれば不安は和らぐ。


しかし病名や原因のわからないまま高熱だけ続くと言うのは、相当不安なことだ。


冬も、冬の母親も。


今頑張って戦っている所なんだ。


「冬には、ちゃんと勝ってほしいな」


あたしは中の良い夢羽と瑠衣を見て、そう言ったのだった。
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