死神喫茶店
「これって、モコが持ってきてくれたんだろ?」


「な……なんの事?」


舞美がいる前なので、素知らぬ顔をする。


すぐにバレることかもしれないが、あからさまな対応はできなかった。


「いいよモコ。ちゃんと話は聞いてるから」


舞美がクスッと笑ってそう言った。


「ご、ごめん。あたし昨日冬の家に行ったの」


「うん。だから聞いてる」


あたしの慌てた口調に、舞美は笑った。


1人で勝手に冬の家に行った事を怒るかと思ったけれど、舞美にそんな様子はない。


ホッとすると同時に、最初言い訳をしてしまった自分が恥ずかしくなる。


「これ、お守りなんだろ? これを持ってたらどんどん熱が下がってきて、気分まで前向きになれるんだ」


冬がそう言い、ストラップを握りしめた。


「そっか……」


春の骨は本当に役に立ったようだ。
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