幻が視る固定未来
自分らしさ
――あれからどれくらいの日にちが経っただろうか?

そんなものはいちいちカウントしてないから分かるはずもない。
とりあえず今、オレは学校にいるのが現実。
そして先生はオレも含むクラスメートにアンケート用紙を渡している。
全く興味のない用紙。アンケートなんだからテストじゃない。なんか下らないことを調べる心理テストでもない。ましてや興味を持てないのは学校に飽きた訳でもない。

確かに“自由に自分らしく生きる”というモットーを持っているけど、それはほとんど家の中で、学校では以前と変わらない優等生だ。
なら、なんでオレは興味がないのか、それは……。

「灼蜘君はどうするの?」

席替えで隣になった奈々がオレにこっそり聞いてくる。
だからオレもこっそりと言い返す。

「オレは最初から決まってる。こんな用紙意味ない」

奈々は驚きながらも納得した表情で頷いている。
まぁきっと奈々の予想は裏切ってるだろうけど。

「そうだよね、灼蜘くんならどこにでも行ける成績だもんね。私はちょっと不安かな。今日から“受験勉強”かな」

困りながら奈々は言ってるがそれほど成績が悪い訳じゃない。一体どこの高校を目指してるんだか。

先生から渡されたアンケート用紙。それは受験する高校の希望校の調査だった。ご丁寧に第一から第四までと希望校を記入できるらしい。だが残念、オレの希望校はたった一つだ。それ以外に記入する気もないし、オレは絶対にその高校に行く。
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